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名医の資格 海老原敏先生にまなぶ

私ががんなら、この医者に行く 最新版

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先日、三笠宮さまが中咽頭上皮内がんで手術を受けられたという報道があった。

三笠宮寛仁さま(64)は14日、入院先の杏雲堂病院(東京都千代田区)で、中咽頭上皮内がんの手術を受けられた。

記者会見した執刀医の海老原敏・同病院院長によると、手術は約1時間40分で無事終了した。
内視鏡を使って喉の粘膜2か所を切除した。

 寛仁さまががんに関連して手術を受けられたのは12回目。
今回切除したのは場所や時期を変えて出てくる多発性のがんだが、発見した部分は予定通り、切除できた。発声したり物をのみ込んだりする機能にも配慮したという。

 術後の経過について、海老原院長は「すでに目覚めておられる。のみ込んだりする時、痛みがあるが、10日から15日で退院できると思う」と話した。

(2010年12月14日20時19分 読売新聞)


 三笠宮さまの執刀医として数々の手術を担当されてきたのが記事にも出てくる海老原院長。
実は海老原先生は、私の父が定期的に診察を受けている先生で、
私も父に付いて開業間もない頃の「がん相談 蕩蕩」に行った事もある。
当時はまだスタートしたてで、院内の本棚はまだほとんど埋まってなく、
カルテがわずかに置いてあるくらいだった。
私の父は15年ほど前に、喉頭がんを煩い
(追記、現在は基本的に完治しているが、一応再発予防のため定期的に診察を受けている)
国立がんセンターの呉病院に行ったのが縁で海老原先生を紹介して頂いたようだ。


 海老原先生は三笠宮様の執刀医として、また首頸部がんの専門家として、
マスコミでもよく見かけるし、医師として地位や名声は高い人だ。
普通に考えたら、先生の診察を受けるのに沢山の患者さんが日本全国から集まってくるだろう。
ところが皇族の人だけでなく、父のような一般市民の面倒も診て下さる。
しかも、名誉ある人なのに謙虚な姿勢、人柄は非常におおらかで優しい印象。
父もとても慕って尊敬している様子。
病院を移動する時に先生の自動車に乗せてもらったと嬉しそうにしていた事もあった。
先生は患者として一度診た人は最期まで看ると言うくらいの器の大きさを感じる。


 本当に良い医師とはどんな医師なのだろうか。
以前、風邪を引いて病院に行った時など、医師の対応の悪さにあきれる事があった。
高熱が出てしんどいなか、ぼんやりとした意識のなかで診察を受けていると、
受け答えがおかしかったのか、薄ら笑いをうかべながら問診をする医師など
患者の気持ちを考えない対応に、どうしてこんな人が医師になったのだろうかと思うような事もあった。



 海老原先生の著書「私ががんなら、この医者に行く」には先生が若い頃の様子も描かれていた。
先生は耳鼻科医として働く傍らで、麻酔医としての側面もあり、
そうした多忙な環境のなかで診療科の垣根を越えて数多くの手術を見てきたこと。
若い頃のそうした経験が後々自身が執刀する時に役に立っているという事。
自分のキャリア形成に関する考え方も参考になった。


 お金や名誉のためだけでなく、社会への責任感や患者への思いやりで仕事をする人。
自分にしか出来ない医療行為を提供し、それを求める患者は分け隔てなく受け入れる姿勢。
そして活動の中心には常に患者がいる。
名医とはそんな人を言うのではないか。


 三笠宮さまのニュースで海老原先生の名前を拝見し、
名医とはどのような人の事を言うのか考えてみた。
意外と身近なところに、本当の名医はいるものです。