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デザイン探検家の記録

【書評】WILL-眠りゆく前に がんになった女医が我が子へ贈る愛のカセットテープ

WILL-眠りゆく前に ?がんになった女医が我が子へ贈る愛のカセットテープ

WILL-眠りゆく前に ?がんになった女医が我が子へ贈る愛のカセットテープ

乳がんと闘う女性医師、小倉恒子氏による二人のわが子へ向けたメッセージ。
医師を志したこと、学生時代に熱中したこと、子どもたちを育てるときに生じた思い、趣味のソシアルダンスのこと、仕事のこと、結婚そして離婚のこと、面と向かってはなかなか言えないことを、まっすぐ投げかけています。
著者は20年以上乳がんと闘いながら、同時に仕事や離婚大きな波乱を乗り越えている。


いつまで生きられるかわからない身体にゆえに、今を大切に生きている。
初めて癌になったとき、一年を三年と思って生きようと思ったという。
再発したときは、一年を五年と思って生きようと思ったという。
再々発した今、一年は十年分の価値があるかもしれないという。


癌が骨や肺、そして肝臓へと転移し苦しい状況であるにもかかわらず、仕事とダンスを生きがいに、今を大切に生きている。生きている限り楽しまなければいけないと言う彼女。そして乳がんに悩む人たちを電話や講演などボランティアで支援している。その活動は普通の人の10倍の密度感があるかもしれない。


7月11日生きがい療法の勉強会に参加し、小倉氏の講演を聞いた。私の質問に対しても丁寧にお答え頂いた。
生ある限りに生き抜こうとする、彼女の姿は眩いばかりだ。

生きることは量よりも質、彼女の言葉にはこの瞬間を生きている生命力に満ち溢れている。親子ほどの歳の開きはあるが同時代に生きていられたことに感謝したい気持ちになる。病気を抱えながら、直向に生きる人をそっと支えたくなるような、そんな一冊。