【書評】自分の答えのつくりかた

自分の答えのつくりかた―INDEPENDENT MIND

「世界一やさしい問題解決の授業」著者、渡辺健介氏による中高生に向けた問題可決の本第二段。
主人公の体験を通じピラミッドストラクチャーなど問題解決に役立つツールを物語の中で紹介し実践していく。
物語本編と問題解決ツールの説明が3章にわたる本文中で展開されている。
物語自体は著者が小説家ではない為、読み物としてだけ見ると物足りなさもあるかもしれないが、
問題可決の手法を説明していく過程の中で読み進めていくと、全体がとても整理されていて主人公への感情移入も自然と起こってくる。
中高生に向けた内容だけあって、問題解決が得意でない大人に対しても分かり易く、論理思考の入門書と言える。
何よりも、中高生の考える力を向上させることが日本の将来をより良くしていくと言う著者の熱い思いが伝わってくる。そうした著者の思いも含めて読んでいくと、物語自体に込められたメッセージが伝わりやすくなる。
問題可決の手法と言う左脳的な冷静な判断力を教える本でありながら、読み終わった後に人の気持ちをに温かいものを残してくれるのは、何よりも著者自身が人間的な温かい信念に基づいて行動しているからだろう。

ただの問題解決のノウハウ本に収まらない、感情と冷静さの両方のバランス感覚はこの本の一番良いところ。