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デザイン探検家の記録

冬の富士詣 その2 (5合目から8合目そして撤退)

夜中は風が吹き荒れた。



佐藤小屋の脇に張ったテントが壊れるかと思った。
富士山に登るために、しっかり早寝しようと思ったら風が吹き荒れ、
寝ているとバタバタ風でテントがななめになり、
仕舞いには『からんからん〜』と金属が転がる音。
聞こえなかった振りをして、寝ているとテントがめくれ上がって来て。。。


仕方ないので夜中に外に出て確認すると、
4本くらいペグがとれてそこら辺に転がっていた。
もう一度打ち直す。


シュラフにもぐり込む。


もうしばらくすると、また『からんから〜ん』とペグが飛ぶ音。


もう一度、外に出てピッケルやらでテントを確保し、シュラフにもぐり込む。
今度はズボンについた雪がシュラフの中で溶けて、ダウンがしっとり、ぺったり。


初日夜中の強風にもはや戦意喪失。
そんな思いで、うつらうつらしていたらなんと7時過ぎに目が覚めた。。。。。
登頂は無理な時間。心も折れているが、行けるところまで行く事に。
せっかくなので、エンジョイ指向。




7時半頃に5合目佐藤小屋から出発。
天気は快晴、風はまだ強い。
すぐに6合目、ここはまだ樹林帯なので雪が積もっている。

アイゼンを履く。


パウダースノー。


6合目の樹林帯を抜けると雪が無くなる。
ほとんど富士山独自の砂。所々凍っている。



アイゼンを脱ぐのも面倒なので、そのまま雪のある所を選んで歩く。

足下は雪と火山灰のミックス。



雪塵がまう。
突風で斜面に這いつくばって、顔が上げられないような時もある。
ゴーグルがあったので助かったけど、
無かったら突風が通り過ぎるまでずーっと目を開けられない、冬の富士は。


良く言われるが、富士山の吉田口登山道は下から見ると、
土砂滑り防止の堰や小屋がたくさんあってまるで要塞のようだ。

斜面は雪が飛んで氷がむき出しになっている。



至る所に鳥居がある。
7合目あたり



私と同じようにソロで登る人もいる。
後ろから見ると結構絵になる。



雪の造形。
太陽照りつけ、雪と氷が輝き、美しすぎる。
自然の美には適わないなあとため息もの。


強風と前夜の疲れの中で、
もう少しもう少しと思いながら登っていたが。


12時になったのを言い訳に、8合目付近で下山する事に。
出発の時点で登頂は無理だし、心は折れていた。
今回の最高度はiphoneGPSで計測した所、3251m。

まあ、日本で2番目に高い北岳3193mより高い所まで来たし、、とまたしても言い訳。



冷たく乾燥した空気が鼻の奥の粘膜にある湿気を奪っていく。


雪山の写真って遠近感がなくて、まるで抽象絵画のよう。
ロシアアバンギャルドもびっくり。

突風に時々、身を小さくしながら、下る。


くだる。
氷にアイゼンを引っ掛けて転んだりしながら、下る。


3時前には佐藤小屋まで下りて来た。



夕方、富士の上空に月が昇る。
富士山の強風を自分の身体で実感出来てよかった。



富士吉田の夜景


二日目夜は風はほとんど吹かなかった。


がっつりカレーを作ったり、ココアを飲んだり、団らんのとき。
いくら食っても余る位食べ物を持っていた。


でも、、、
前日夜中のペグ打ち直しで湿ったシュラフが凍っていて、、、
ついでにプラティパスに入れた水が凍らないようにと思って、
シュラフに入れて寝たら穴が空いていて水漏れ。
凍ったシュラフはさむかったなあ〜。


プラテパスはすごく長く使ったから仕方ないけど。
やっぱ穴があく前に変えないとダメですね。


富士詣でその2 おしまい。

その3(富士5合目から馬返し、浅間神社富士吉田駅まで)に続く